自分の意思で決めていると思っていませんか?
実はマーケターがたくみに仕込んだワナかもしれませんよ
今回紹介の本は、経済学と心理学を合わせた新しい学問
行動経済学の火付け役となったベストセラー本です。
現在は行動経済学とは?から行動経済学を実践のビジネスで活かすフェーズにはいっています。商品開発やマーケティング・接客などの様々なビジネスにおいて、マーケティング業界では具体的な実践段階に突入してます。
人間とは合理的とはほどとおい不合理的な決断をします。
しかも予想どおりに(笑)
この行動経済学を学ぶのはマーケターだけでは無く、消費者としても学ぶ事は今後の人生において非常に有益なことであります。自分では合理的な選択をしているつもりでも、後から考えてみると不合理な選択をしているものです。
- レ点ビジネスにひっかかり不必要なオプションに加入してしまう
- 無料につられて30分の行列に並ぶ
- 3,000円以上で送料無料になると知るともう1品余計なものを購入してしまう
- 年会費無料のクレジットカードを盲目に選んでしまう
- お会計を割り勘にするか、交互に払うかいつも悩む
- 人は何故、現金ではなく必要ないかもしれないプレゼントを贈るのか?
- お金のために働くのが辛い
- 課題を先延ばしにして結局やらない
- キャッシュレス化して支出が増えた
様々な対照実験を通じて、仮説検証・具体化⇒抽象化を繰り返し、人間はやっぱり不合理を選択する事を証明した本となります。選択肢が多いこの現代をどう生きるか。進化するマーケターに負けない知識をお茶の間にもつけて頂きたいと感じます。
本当は、気づかれずに不合理に購入選択して欲しいですが。。。
行動経済学を学ぼう
消費者としても賢く学んでください、企業に利用されるだけではいけません。
自身の不合理な選択を理解して利用していきましょう。
この著書「予想どおりに不合理」は行動経済学の最初に学ぶべき1冊ではあると思いますが、
その前にヘンテコノミクスを入門編として読むと全体像がつかみやすいと思います。
最初の1冊はマンガがわかりやすいでしょう。
そして、この本で不合理さの理解を深め
2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン、エイモス・トヴェルスキーの
プロスペクト理論
や2017年ノーベル経済学賞を受賞した米シカゴ大学のリチャード・セイラー提唱の
ナッジ理論
など基礎理論を理解できると現代のマーケティングにおいつけると思います。
ダン・アリエリー教授について
著者のダン・アリエリー(Dan Ariely)は、1967年4月29日生まれ、イスラエル系アメリカ人の教授、作家であります。
現在は、デューク大学で心理学・行動経済学を研究しておりますが、この著書は、MIT(マサチューセッツ工科大学)時代の実験結果が多く引用されております。
本を読む前にTEDで行われたプレゼンを閲覧するのも良いアイデアです。
非常にユーモアに溢れたプレゼンで、会場も爆笑で引き込まれていくのがわかります。本読まなくてもこの動画は必見です。
めちゃくちゃ面白いです。
2008年度イグノーベル賞受賞
2008年ダン・アリエリー氏は経済学賞では無く、イグノーベル医学賞を受賞しています(笑)内容は高価な薬は、安価な薬より同じ成分でも効力が高い事を示した研究によるものです。大学生に高く値段設定した栄養ドリンクを配った場合と、同じ成分で安く価格設定した栄養ドリンクでは、高い値段の方がより疲労度が回復すると言う結果となったそうです(笑)プラセボは実在する事は薄々わかっておりますが、例えば手術を本当にした場合とただ開腹しただけで何もしなかった場合とでも回復に差が無いとか、医者が認めたくない事実もあります。ノーベル医学賞は残念ながら狙えませんね!
2017年に「ナッジ理論」でノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授の9年前の出来事です。
2021年 データねつ造疑惑
2012年に「正直に回答することを約束する」署名の位置によって、回答者が正直に回答することを約束する割合が変わることを示した実験がありました。しかし2020年同様の実験をしても再現されない事が明らかになりました。
今後どう対応していくかアリエリー教授の対処に期待している、腹黒い天狗がいます。
ダン・アリエリー「ずる 嘘とごまかしの行動経済学」同著のこの本も面白いです。鼻がマーケ天狗のようですね。
実験のごまかしも人の心理です。
参考
内容・ボリューム感
要約はしませんが、これでもか!と言うくらい仮設検証の対照実験が積み重なってます。その実験内容を考えるアイデアだけでも非常に参考になると思います。しかしあまりに多い。
本を読み終わるまで6時間かかりました。(499ページ)
実験内容が多すぎて、途中お腹いっぱいになるかもしれませんが、そこで止めても構いません。読めるところまで読んでみましょう。何個の実験が載っているか数えてみました。
79個の対照実験が載っている ※数え間違いあるかも
これからの消費行動に変化が現れます。例えば、人が車を選ぶ理由は実は直感であり、後付で正当で合理的な理由を仕立て上げているだけであったり、無料!とわかると不合理に飛びついたりするとかありませんか?
この本を読むことに役立つ単語帳
本書にでてくる語句の解説です。本を読む参考にしてください。そこまで難しい言葉はでてきませんが、ちょっとだけ先に学んで起きましょう。
MIT
Money Is Time 金は時なりの略
…ではなくMIT – Massachusetts Institute of Technology(マサチューセッツ工科大学)の略となります。
アメリカのマサチューセッツ州ケンブリッチに本部を置く私立工科大学です。
設立1865年の名門校でノーベル賞を多数受賞。2013年以来ハーバード大学やケンブリッチ大学を抑えて9年連続で世界大学ランキングTOPの大学です。ここの学生を調査対象とした実験が多い本書ですが、このようなとても優秀な学生であっても不合理な選択をしている所も読みどころです。
恣意(しい)の一貫性
恣意(しい):気ままで自分勝手、論理的な必然性がなく、思うままにふるまう事
反対語・対義語は、「規則的」「自動的」「機械的」「合理的」「普遍的」など
最初の価格が思いつきでも、それが定着すると現在の価格ばかりか未来の価格まで決定づける一貫性がある。
最初に適当に価格を決めてしまうとそれがアンカー(基準)となりずっと引きずってしまうでしょう。
感応度(かんのうど)の逓減性(ていげんせい)
感応度:どの程度反応を示すかの度合い
逓減:しだいに減る事、減らす事
プロスペクト理論にも登場しますが、要は最初の1杯の生ビールはおいしいけど2杯目はそこそこしかおいしくないみたいな感じです。お金持ちが得る10万円と貧乏人が得る10万円だと同じ10万円でも幸福度が違う感じです。
需要と供給の誤謬(ごびゅう)
誤謬(ごびゅう):まちがえること・あやまり
経済学では需要と供給のバランスで市場価格が決まるとされています。しかし行動経済学では実は、需要と供給は独立したもので、簡単に市場価格は操作されてしまうのです。
読んだ後のアクションプラン
最後に読んだ後に下記のアクションを行動していきましょう。
1.自分の決断に疑問を持つ
2.ゼロコスト(無料)に疑問を持つ
(無料!となると不合理に飛びつくのは何故か?)
3.ハーシーのキスチョコが食べたくなる(本読むとわかります)
4.バーニングマンに行く(嘘です、行きたい人はどうぞ)
※社会規範か市場規範どちらの世界が幸せかを考えてみましょう。
テングの雑談
いかがだったでしょうか?要約ブログでは無いので、どんな本か想像つかないかもしれないですね。
最後に私が、本を読みながらTwitterでアウトプットしていたつぶやきを紹介して終わります。
人は、相対的にしか判断できない事を知る事も行動経済学の一つです。おとり効果です。
1000円のランチを売りたい為に2000円のランチを売れなくても設定するのはその為です。
人間のそういう心理を知れば、人と比べてしまう自分も納得できます。
しかし、それを理解した上で相対判断するべきは、過去の自分と考えました。
知識が先か後かでその後の体験(ここで言うと味覚)が変わります。
例えば、想像してみて下さい。
このゼリーを飲む時に
必須アミノ酸やビタミン・ミネラル40種類以上はいったローヤルゼリーが通常の3倍入った圧倒的な成分量のこのゼリー即効元気を飲んで下さい!
と言われて飲むのと
牛のひづめから抽出したゼラチンを使ったこのゼリー飲んで下さい!
といわれるとどっちが、おいしく飲めますか?元気になりますか?
同じご飯でも高級レストランで食べる味と近所のスーパーのフードコートで食べる味は違ってきます。
一流バイオリニストの演奏もカーネギーホールで聞くのと近所の公民館で聞くのでは違って聞こえます。
これも行動経済学
誰かの天井は誰かの床
という事で行動経済学勉強したくなりましたか?
その場合は迷わずクリックして読み始めましょう!
悩む時間もコストですよ。
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もちろんフォローはゼロコストですよ!
下手な行動経済学でしたね。
では、また!
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