行動経済学のマンガとなります。
行動経済学とは普通の経済学とは違い、人間の心理学的な部分も追求し、心理学×経済学の融合した分野です。
マーケターが目指すべきは「人の心・行動を変えること」です。
正直「すぐ売上をだしたい」という目的を達成する為には、マーケティングより行動心理学を学んだ方が速効性があります。
ちょっとした見せ方を変えるだけで売上が数%アップします
表記を10,000円から1万円にしたり、月額3,000円を1日100円にするだけで売上が、表示を変えた日から、突然アップすることがあります。
マーケターとしては
・良いものを作ったら売れる
・値段を適正につけられれば売れる
と論理的に考えてしまいがちですが、人間の行動は必ずしもそうではないと言うことを理解し行動経済学を応用していきましょう
この本はマンガで20以上の例をわかりやすく紹介しているので、行動経済学を学ぶ最初の1冊として非常に入りやすい本となっております。ちょっと?とか感覚に合わないこともあるかもしれませんが、共感できることも多のではと思います。
この本の結論
実は消費者はマーケターの思っているほど深く考えていない
ではいってみましょう
メンタル・アカウンティング
想像してみましょう
昨日駅で1万円札にて5,000円のチケットを買いました。
しかし、乗車当日 買ったチケットが無いことに気が付きました。
どちらの場合、より損をしたと感じるでしょうか?
A 5,000円のチケット
B 5,000円のおつり
この場合 B5,000円のおつりと考える人が多いのではないでしょうか?私もそうです。
しかし、落ち着いて考えると5,000円の価値は同じです。
このように、冷静に考えれば同じ価値なのに入手方法や状況に応じて、本質的な価値とは異なる独自の優先順位をつけること
これがメンタル・アカウンティングです。
1億円の当たり宝くじ券と1億円どっちが取られたくないか?みたいな
アンカリング効果
これは同じ価格の同じ製品でも、基準となる情報に左右されて価値の代償を判断してしまうことです
ネクタイを買うならA店というほどに懇意にしているお店があるとします
今日もそこに出かけてみると自分の好みにバッチリあったネクタイがあります
でも値段を見ると15,000円!少々割高です
そこで隣のアパレルショップB店っも一応覗いてみることにしました
すると同じ柄のネクタイを発見。でも値段は20,000円、A店より高かったのです。
1週間後セールをやっていると聞いて再び訪れた際
A店 15,000円⇒12,000円に値引き
B店 20,000円⇒12,0000円に値引き
あなたならどちらを買うでしょうか?
例えいつもは買わないB店であっても20,000円が12,000円になっていると聞くとすごくお得になった気がしないでしょうか?
結果的には同じ柄のネクタイが同じ値段になっているだけなんですけどね。。。
つまり
最初に見た値段がアンカー(基準)になっている為、いつも高い値付けをしている方が差額の分だけお買い得に見えたということです
極端回避性
友人とランチ会に行きました
Aランチ 2,000円
Bランチ 1,500円
違いはスープとサラダがついているというだけなのでBランチを頼みました
別の日同じ店にSランチ 3,000円という出てくるものがかなりアップグレードされたランチセットが1つ増えていました
AランチとBランチは変わらず同じ値段でした。
Sランチ 3,000円
Aランチ 2,000円
Bランチ 1,500円
どれを選ぶでしょうか?
もちろんその日の気分や何が食べたいとかあるのですが、このパターンだと真ん中のAランチを選ぶ方が多いのではないでしょうか?
これは3段階の選択肢を提示されると1番上や1番下という極端な選択を回避してできるだけ無難な選択をしようとする傾向のことです
これは、もちろん値付けの際にも使えますが、上司や顧客を説得する際にも応用ができます。
自分の案を通したいとき、コストがかかりリスクも大きい提案、コストはかからないがメリットも極端に少ない提案、この2つを合わせ、3パターンから選ばすようにもっていくと、自分の通したい案が通りやすいみたいな感じです。
人は松竹梅の竹を無意識に買いがち
無料による選考逆転
ファミレスで二人で1,800円のご飯を食べ満足していました。
しかし、この店2,000円以上で駐車場台が無料になるチケットをくれるとすると、あと1品余計に頼んでしまわないでしょうか?
合理的に考えればこれ以上出費を増やす必要がないのに、「無料」と聞くとどうせ必要なものだからと理由をつけて、「無料になる選択肢を選んでしまう」という心理傾向があります。世の中にある無料って本当に怖いです。
プラセボ効果
これは有名ですが、単なるアメでも、これがガンに効くと信じ込ませるだけで本当に効果がでてしまうといった効果をプラセボ効果といいます。
これは医学だけの話では無いです
実はラーメン屋でも秘伝のタレ入り特製ラーメンとうたい、高い値付けをしただけで、味を変えて無くても、「おいしくなったねー」というお客さんが絶えないとか、いかにも凄そうな理由を適当につける。信じるだけでおいしいと感じるようなことです
これにマーケティングのことで考えると世の中には「New」とか「リニューアル」とか書かれているけど、実はパッケージのデザインを新しく変えただけでしたとか、〇〇医師推薦!とかあります。ドクターシーラボって医者が考えたみたいなイメージありますけど、ほとんど関係無いですからね(笑)
これ嘘では無いのでしょうけど、実はそれ自体は大したことではないけど、凄そうに見える情報を追加するという狙いがあるのかもしれません
あとがき
いかがでしたでしょうか?
行動経済学って知れば知るほど面白くて消費者も気づかない心理をついているというのがとても面白いので、マーケター以外の全ての人が学ぶべきだと感じています。
今回は価格についてのものをピックアップしましたが、その他も含め全体に言えるのは
消費者は購入時にそこまで深く考えて購入をしていないということです。
だからこそマーケターとしては、もちろんロジカルに〇〇を訴求することで消費者に〇〇を感じてもらい、ここの〇〇に共感してもらえるから買ってもらえる。
みたいに考えがちです。しかし実際のところは、3つの選択肢があって「一番下を選ぶのはなぁ。。。」くらいの理由くらいで、真ん中を選んでいるかもしれないということを肝に銘じた方がいいかもしれません
この本を読んだ後に実際に対照実験をこれでもか!というくらい実践した
行動経済学のベストセラー本「予想通りに不合理」を読むとこの理論が定着しやすいと思います。
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