今回紹介するのはこちらフィリップ・コトラー「マーケティング5.0」
マーケティングの神様と言われるフィリップ・コトラー教授のマーケティング「X.0」最新著書となります。ソフトウェアなどのバージョンアップになぞられつけられていると思いますが、これはマーケティングのバージョンアップなのです。
しかし、買うのはちょっと待ってください!
この本発売から約1年が経過するにもかかわらず日本語訳の本が出版されてません。
英語、ポルトガル語、スペイン語、ドイツ語が読める方は購入してみても良いでしょう。しかし1年待って翻訳本が発売されないなんて、日本が世界からさらに置いていかれてしまいます。そこで今回は多分今年中には発売されるであろうマーケティング5.0について軽く上辺だけでも理解していきたいと思います。それまではこれでガマンしてください。
すごい!天狗さん英語読めるんだね
いえ、全く読めません。雰囲気です。
大丈夫かいなー
【英語のマーケティング本を買うメリット】
・まだ翻訳されていない世界の最新情報が手に入る
・英語が読めなくてもマーケティング用語はカタカナ英語が多いから雰囲気はつかめる
・英語の本を読んでる自分に自己肯定感が多少あがる
・英語読めなくてもインテリアとして飾れる(笑)
・スタバで何となく机の上にだしているとマーケターに見られる(自意識過剰)
以上のメリットを感じる方はこちらからご購入ください。
コトラー教授から見るマーケティングの歴史・推移をざっくり
日本にまだ和訳されていない最新のマーケティング概念が学べる
英語の本との薄っぺらい向き合い方
最近マーケティングの進化がテクノロジー優先になってきてます。しかしそのシステムの上位概念としては顧客と企業をどういう関係・価値を提供していきたいのか?ということが根底にはあります。
大企業向けの話かもしれませんが、大企業は既にマーケティング5.0の流れで動いています。中小企業や個人もこれがわかっているかどうかでとる戦略も変わってきます。雰囲気だけは掴んでおいて損はないです。
今回の結論はこちらです。
コトラー教授のマーケティング「X.0」とは世代をターゲットとした施策である。古いも新しいも何もない。企業と顧客をどう繋がるかを示している。
今回読んで頂きたい方です。
・マーケティング5.0の和訳が待ちきれない人
・Z世代にモノを売りたい人
・これからは5.0だよとシッタカしたい人
・英語の本を読んだふりをしたい人
・マーケティング3.0と4.0をまだ読んでない人
読ませる気あるんかいな!
では、いってみましょう!
マーケティング1.0~5.0の理解は世代の理解から
コトラー教授のマーケティングの理解は世代の理解をすれば、つながりがわかります。各世代の特徴にターゲットを合わせマーケティングは進化していきます。まずは、マーケティングと世代の対応を合わせていきましょう。
マーケティング1.0 製品中心(プロダクトアウト) ※テレビ・冷蔵庫・洗濯機を作れば売れる時代
マーケティング2.0 顧客中心(マーケットイン)※顧客の要望に合わせて作る
マーケティング3.0 人間中心(物語・感情で買う)品質では差がつかないので結局知り合いから買う時代
マーケティング4.0 デジタル(スマホ・SNSから買う)
マーケティング5.0 人間とデジタルとの融合(人間を真似たAI・IOTから買う)
マーケティング「X.0」を理解する為に世代間ギャップ(ジェネレーションギャップ)を理解しないといけません。この2つが対応しているとの理解で「X.0」が深く把握できます。
Baby Boomers 団塊の世代 (1946年~1964年生まれ)
GenerationX (1965年~1980年生まれ)しらけ世代・新人類全部経験している
GenerationY ミレニアル世代(1981年~1996年生まれ)デジタルに慣れている世代
ーーーデジタルネイティブの壁ーーー
GenerationZ Z世代(1997~2009年生まれ)
GenerationAlpha ミレニアル世代の子供(2010年~2025年生まれ)
※Digital Native(デジタルネイティブ)=生まれた時からインターネットがある世代
このように世代と技術革新とともにマーケティングもバージョンアップしていきました。
では1.0から歴史を見ていきましょう。
マーケティング1.0 1900年代
マーケティング1.0は製品中心の考え方です。
大量生産・大量消費。みんなが欲しがっているものを売る時代です。
作れば売れる時代でうらやましい気持ちもあります(笑)
どう作り・どう知ってもらい・どう売るか
4Pの概念は現在でも中核の役割をもっている非常に大事な概念です。
マーケティング2.0 1970年代
2.0は顧客中心の考え方
1.0でモノが余ってきました。どれも同じものばっかりだからです。お客様に選んでもらう為にターゲットを決めて売るようになります。
顧客にとっての価値 顧客が価値を感じて欲しいと思ってくれるモノ
競合との差別化で買う理由をつくる時代
STP分析もコトラー教授発案なんだ
僕のお父さん!
ホッチキスのバージョンアップ「ホッチキス2.0」はこちらから
マーケティング3.0 1990年代
3.0は人間中心(価値中心)の考え方に変化します。消費者(consumer)というセグメントごとでは無くひとりの人間(Human)として考えます。
つまり、お客様は人間(Human)です。セグメントの塊じゃないよって。
3.0の考え方は今でも有用です。
2.0までは消費者(モノを買う存在)と捉えていたが、一人一人の顧客にも人格がある。企業も人として共感していかないといけない。3.0からは企業と顧客が結びつくことが重要となってきました。
モノが満ちて精神的な充足を求める。「モノ」から「体験」への変化が始まりました。
製品を越えた精神的価値 世界をより良い場所にする活動で共感を売る
コトラーのマーケティング3.0「ソーシャル・メディア時代の新法則」はこちらからご購入下さい。日本語で読めます。
マーケティング4.0 2010年代
4.0からは自己実現 さらに自分らしさを追求する時代となってきました。
またDegitize or Die?(デジタル化するか死ぬか企業は選びなさい)デジタル中心の考え方です。
デジタル化、デジタルへのシフトの具体例を提示します。
デジタル化を進め自己実現を支援し、他の人にオススメしてもらう
・SNS普及による共感的シェア
・デジタルマーケティングの加速
コトラーのマーケティング4.0「スマートフォン時代の究極法則」を読みたい方はこちらからご購入下さい。もちろん日本語で読めます。
マーケティング5.0 2020年代
そしてついに5.0へとアップデートされていきます。
これからのマーケティングで起きてることがわかります。3.0の人間と4.0のデジタル化との融合です。
マーケティング5.0の定義
カスタマージャーニー全体で価値を創造し、伝達し、提供していくために、人間を模倣した技術を応用することである
人々がブランドに求めているものは、ニーズを満たす(1.0)というところから洗練されたブランド(2.0)が欲しくなる。さらに、体験できるブランド(3.0)にシフトしていき今は、自分が繋がれる(4.0~5.0)ブランドを求めてきている。
特に若い世代(Z世代とアルファ世代向けに)は自分が繋がれるようなブランド志向となってきています。
Z世代とアルファ世代に対応するには?
人類にポジティブな変化をもたらし人々の生活の質を向上させる姿勢が大事です。
人類のあらゆる面での技術の進歩を推し進めていくこととなるでしょう。
本の目次からざっくり解説です。目次だけは真剣に読み解きます。これで個人的には50%理解できます。
PARTⅠ はじめに
上述のようにマーケティング1.0~5.0までの進化の流れを説明しています。
PARTⅡ マーケティングが直面するデジタル世界の課題
課題は下記3点、この社会課題をマーケティングで解決していきます。
1.ジェネレーションギャップ
2.繁栄の二極化(貧富の差)
3.デジタル・デバイド
ジェネレーションギャップ…実は「X.0」は進化では無くてジェネレーション(世代)に対応している。1.0~5.0は各世代に対応している。
繁栄の二極化…今後さらに貧富の差が激しくなる、このまま放っておくと重大なリスクになる。インクルージョンとサスティナブルが非常に重要になってくる。
デジタル・デバイド…元々はデジタルが使える人・使えない人との間に生じる格差という認識だったが、今はデジタルに対してネガティブとポジティブにとらえている人の格差。これが貧富の差を広げていく。パーソナライズされた情報を出すと同時に顧客によるカスタマイズを両方やることが大事。
この3つの課題に対応していく為、マーケティング5.0がある。この社会課題を無視してマーケティングはできない。
PARTⅢ テクノロジーによって強化されたマーケティング
具体的な新技術についてふれています。
キーワードは「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「NEW TECH」「NEW CX(ニューカスタマーエクスペリエンス)」の3点です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)企業やデータやデジタル技術を活用し、組織やビジネスモデルを変革し続け、価値提供の方法を抜本的にかえること
NEW TECH
頭脳を模倣する=AI
想像力を模倣=XR(VR・AR)
つながりを模倣=IOT
⇒全てのテクノロジーは全て人間の模倣である
NEW CX(カスタマーエクスペリエンス)=⇒全てのテクノロジーは全て人間の模倣、そこから新しい顧客体験が生まれる。
例:アドバンスド・チェス
チェス競技で人間VS AIではAIが強くなっているが、AI+人間でAIを超える強さを得る
⇒人間とAIとの融合が今後のマーケティングのあり方?
Society5.0との同時の理解も良いアイデアです。テクノロジーと人間との融合がどちらもテーマです。
Society5.0とは
内閣府HP
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)
狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもの
PARTⅣ マーケティング技術を活用する新しい戦術
5つの具体的な戦術が記載されてます
データドリブンマーケティング (Data Driven Marketing)
予測マーケティング(Predictive Marketing)
コンテクスチュアルマーケティング(Contextual Marketing)
拡張マーケティング(Augmented Marketing)
アジャイルマーケティング (Agile Marketing)
どうやって模倣して豊かなものにしていくかの戦術として細かく書かれているはずです。
データドリブンマーケティング
何を達成したいのか、どのような課題を解決したいのか、どのような分析方法を行うか
①ソーシャルデータ
②メディアデータ
③ウェブデータ
④POSデータ(小売店での取引)
⑤IOTデータ(センサー使用からとれるデータ)
⑥エンゲージメントデータ
予測マーケティング(プレディクティブ)
予測モデルや予測アナリティクスを用いてマーケティング戦略の結果を予測する
コンテクスチュアルマーケティング
顧客とのやり取りから文脈を読み解き、顧客にとって相応しい対応をしていく
拡張マーケティング
アジャイルマーケティング
いかに迅速に施策を実行できるようにするか?
①リアルタイムのアナリティクス
②分散型のチーム
③柔軟なプロダクトプラットフォーム
④同時プロセス ☓逐次プロセス
⑤迅速な実験
⑥オープンイノベーション
企業と顧客の繋がり方の変化がわかる。今後企業がどう顧客と繋がるかの羅針盤となる1冊である。人間を理解できるのは、人間だけである。テクノロジーの進化にマーケティングが駆逐されていくのでは無く、その上位概念として存在する。マーケティングの力をあなどらないでね。
あとがき
英語の本って正直読めないですよね。でも人類もそろそろ翻訳コンニャクを手に入れつつあります。
オススメ翻訳ツール
DeepL
google翻訳より翻訳精度が高いと思います。Googlechromeの拡張機能も利用できるのでKindleも翻訳できます。
Googleレンズ
現物の本でもスマホでテキストをコピーして、同じユーザーでログインしている別のChromeブラウザにワンタップで送ることが出来ます。またその場で翻訳済みのテキストの読み上げ機能があるので聞く事も可能です。
特にまだ日本に入ってきていない情報はチャンスです!先行者利益をつかみ取りましょう!
では、また!
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