-1章- 始まり
私は進藤真彦(しんどうまさひこ)32歳、あだ名はマッチだ
中小企業で主にマーケティングをしているサラリーマン
今朝も電車で会社に向かう

今日は朝イチ会議があるので時差出勤をせずサラリーマンでごったがえす満員電車に乗ることにした
マッチ「うぉ!すごい人だ。でもこの電車乗らないと間に合わないぞ」
無理やり乗り込むマッチ
満員電車での乗客の顔は皆暗く感じた
マッチ「これが噂の学生たちがサラリーマンの満員電車の辛そうな顔を見て就職を嫌がる光景だな」
マッチはここで職業柄、ある種の仮説を立てていた
マッチ「待てよ!先入観にとらわれすぎているのかもしれない。今は、朝だ。ただ眠いだけという事も考えられる。前日に飲みすぎたとか。会社が辛いのと満員電車が辛いと言うことに相関関係はない。ここはまず、圧迫感が人を辛くさせると考えてみよう。知らない人同士が密着しする事は不快に感じるということは、パーソナルスペースが0cmの時の表情の集合体という事だな。子供はパーソナルスペースが狭いから逆にこの状況でも不快に感じないのか?ということは……」
などと空想しながら目的の駅に着くのを満員電車の中考えていた。
しかし一人頬を赤らめた恍惚とした表情の異彩を放つ男性がいた。
マッチ「何!この状況で不快じゃない反応をしている。どういうことだ?周りに知り合いがいる気配は無い。会話はしていない。会社へ行く事へのワクワク感?思い出し笑い?どういうことだ」
思考をめぐらしたが理由はわからなかった
マッチ「ん?前の女性も表情が周りと違う。今にも泣きそうだ。満員電車で泣くというのはどういう感情だ?圧迫による痛み?いや違う」
男性の近くに、人を押し分けて行くマッチ
男性の手を取り
マッチ「次の駅で降りましょう」
電車の中で異彩を放っていた男性は痴漢の常習犯だった

仮説検証
「こうかもしれないぁ」と思う疑問や予測を数値や事実確認を提示して答え合わせをすること
2章につづく
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